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代表メッセージ
Message

何よりも社員さんが大切。
勤めて良かったと思ってもらえる
会社をつくりたい。

株式会社フジタカ 代表取締役社長
日隆産業株式会社 代表取締役社長
谷 峰範

自分をどんどん成長させたいという
想いだけで突き進んでいました。

父親から「アメリカにでも行ってこい」と言われたことをきっかけに、4年間大学で法律を学んだ後、プラス1年間アメリカへ留学する形で再度大学に通いました。当時の私は学生なりに、知らないところに行って自分のことを主張し、知らない文化で生きていく、つまり不慣れな環境で過ごすということができないと、後継者になることは難しいと考えていたんです。アメリカは、自己主張をしなければ認められないというような文化だったので、本当に鍛えられましたし、自分に火をつけることができた良い経験でしたね。もともと将来会社を継ぐ人間だと自覚していたので、帰国後は自分をどんどん成長させたいという想いで就職活動を行いました。

そして5年間ほど大手の同業社で経験を積みました。自分の親の会社で働くという選択肢もあったかもしれませんが、そうすると「社長の子ども」という目で見られ、自分の成長に繋がらない。そして一番は、トラックの運転手をしている人達と「普通に」働きたかったんです。

入社当初は、朝早くから夜遅くまで必死になって働いては先輩に怒られたり、お客様と仲を深めたりしながら、コテコテのドライバーとして過ごしていました。2年目からは、営業所を立て直すという役割を任せていただけるようになりました。売り上げを上げるための改善活動を行ったり、ドライバーの質や意識を向上させられるような取り組みを行ったり。20代そこそこの若者が、50代前後の社員さんに向けて意見を言うような部署に配属されたこと、支店長がするような仕事を代わりに経験させてもらえたことは、自分にとってとても大きなターニングポイントだったと思います。
できていないことをやってほしいと伝えても、人はなかなか変わってくれないものなので大変に思うときもありましたが、「こんなことができないで何が後継者だ」と自身を鼓舞しながら前向きに取り組んでいました。また何よりも、皆さんに良くなってほしいと心から思っていたので、一緒に荷物を運んだりご飯を食べたりしながら、彼らの苦労や気持ちを汲み取り過ごしているうちに、気づいた頃には気持ちが通じるようになっていたように思います。

物事は他責で考えずに自責で考える。
問題発見者が問題解決者になる。

前に勤めていた会社の社長がよくおっしゃっていた言葉が今でもずっと心に残っています。1つ目は「物事は他責で考えずに自責で考える」ということ。チームとしてのパフォーマンスが下がっているとき、当時の私は「でも自分はちゃんとやっているし…」と人のせいにすることが多かったのですが、今は部下のせいにしたところで全て社長である私の責任だと強く意識しています。2つ目は「問題発見者が問題解決者になる」ということ。会社の良くないところやできていないところなどの客観的評価は誰でもするのですが、「だからこんな風に変えていきたい」「◯◯したいと思っているから協力してほしい」という言葉を投げられる人はなかなか居ません。
この2つは、自分が経営し始めてより一層共感できるようになりましたし、大事な考え方だからこそ管理者クラスのメンバーには伝えるようにしています。

また私の実務力はどの社員さんよりも劣っていると思います。だからこそ、ドライバーさんの横に座って一緒に汗をかいて学ばせてもらっています。お客様の会議に出席することもあるのですが、実務がわからなくても、社員さんがお客様に対して間違った対応をしているかどうかははっきりとわかります。社員さんを守らなければならない状況になったときはしっかりと想いを伝えますし、お客様に正しく評価されていないと感じたときは「うちの社員はこれだけ頑張っている」と主張するようにしています。その他にも現場スタッフの向き不向きを見極め、社員さんだけでは対応が難しいと判断した謝罪の場や値上げ交渉の場に足を運び、先方の方としっかりと話をするようにしています。「こういうこと(謝罪や交渉)は全部私がしてくるから、その代わり交渉中の事故だけはしないでね」と声をかけるなど、当たり前のことではありますが、社長としてできることをずっと続けてきました。

朝7時に家を出たら晩19時には家に帰って
家族とご飯を食べてほしい。

今でこそ話題になっている「2024年問題」ですが、私達の業界では5年以上も前から問題視されていたものなので、弊社はその頃から取り組みに着手してきました。まだ完璧にクリアできているわけではありませんが、7割は達成できていると思います。2024年問題をざっくりまとめると、「働く時間を短くしなさい」「ドライバーの賃金を上げなさい(=お客様に運賃を上げてもらいなさい)」ということなのですが、ほとんどの運送会社はこれができず困っていると思います。正直なところ、弊社も取り組みを始めた当時は誰も聞く耳を持ってくれませんでした。ですが私は諦めることなく、管理者やドライバーさんのもとへ足を運び、納得してくれるまで一つひとつ説明を行うとともに、運賃の交渉や全ての営業所の労働時間管理を開始しました。1〜2年経った頃には少しずつ風向きも変わり、5年経った頃には皆さんが理解を示してくれるまでになりました。

決められた法律だから守るというのも大切ですが、私はそうではなく、朝7時に家を出たら晩19時には家に帰って家族とご飯を食べてほしい、ただそれだけです。昔のドライバーさんは独り者が多く、休みよりも稼ぐことに重きを置いている人が多かったのですが、今はそうではなく家族との時間を大切にするドライバーさんが増えてきました。また、業界未経験者の採用も積極的に行っているからこそ、家族との時間を大切にしてほしいなという想いがあります。そうしようと思うと、やっぱり労働時間は短い方が良いですよね。またここで大切になってくるのが、給与は絶対に下げてはいけないということ。だから私は、むしろ少し上げて協力してもらえるように働きかけました。

2024年問題の本質はこういうところにあって、肉体労働による心身への負担や家族との時間を取れないというようなハッピーとは言えない状況を、「勤めていて良かった」と思ってもらえるような環境に変えることにあると思っています。

HEグループがいないと困る社会問題を解決できるかどうか。

また社会問題をしっかりと解決できる会社にしていきたいとも思っています。例えば、弊社で行っている「アグリロジテック(やさいバス大阪)」。大阪の泉南地区で取れた地元野菜を売ろうと思うと売価よりも運賃の方が高くなるため、農家さんにとって大きな負担になってしまうという現実があります。そんな状況を物流の力で助けることはできないかと始まったのがこのアグリロジテックです。トラックをバスに見立て、朝から農家さんを回り、必要としているご自宅へ新鮮な野菜をお届けしています。実を言うとほとんど利益は出ていませんが、私達がいないと困る問題を解決できているかどうかが大切なんです。これはSDGsにも繋がるものですし、問題を抱えている社会や地域、お客様、子ども達の役に立つことができれば良いなと思っています。
こういったことを実現させようと思うと、まずは利益になる仕事をきちんとしなければ取り組みを行うことすらできません。未来の物流がどうなるのか模索しながら、誰かのためになるようなプラットフォームを作っていきたいです。

「勤めて良かった」その声のために
この先も想いを運び続けます。

面接は管理者に任せているので私が入ることはないのですが、仕事ができるかどうかではなく、どういった物事の考え方をしているかどうかを100%重視してほしいと伝えています。
トラックに乗ったことのない女性や未経験者だったとしても、「社会や人の役に立ちたい」「チャレンジしたい」という前向きな考えを持った素直な方であれば、私は一緒に働きたいです。逆にいくら仕事ができても人格が備わっていなかったら一人前とは呼べません。「この人良い人だな」「この人と居るとほっとするな」「この人と会うと元気が出るな」と、周りから思ってもらえるような方を採用したいですし、採用した後もそういう方になってもらえるよう教育していきたいです。

また色々な仕事を持っていれば、色々な働き方ができると思っています。例えばある社員さんの話なのですが、2年前に股関節を悪くしたドライバーさんが居ました。この場合、本当は運送会社としては働くことが難しい状況なのですが、弊社は仕事量を調整し、かつ労働負荷がかからない仕事への配置転換をお願いしたところ、その社員さんから「おかげで股関節の痛みも良くなり、本当に助かりました」という御礼の言葉をもらいました。こんな風に、少しでも気持ち良く働き続けてもらえるような環境が、弊社には整っているということも是非知っていただきたいです。